誰も得しない日本史

誰も得しません

共通テスト難易度考察 H30試行調査2

H30試行調査の問題文はこちら(16MB)

大学入試センター

 

このシリーズの基本コンセプトは、こちらをご参照ください。

www.daremotokushinai.com

 

 

解答番号2

以下の「ア」~「ウ」が、古代・中世・近世・近代現代のいつの時代のことなのかを判断して、解答番号1で答えた、「開発」の話題なのか、「災害」の話題であるのかを答えます。

前の問題の解答が、この問題の解答に影響を与えるという意味で、従来のセンター試験にはなかったタイプの問題であるといえます。

 

ア 築城技術などを応用することで、大規模な治水が可能となり、大河川流域を安定的に耕作したり、台地状を耕地化できるようになった。

イ 兵庫県を中心に都市を襲う地震が発生した。復興にあたってボランティア活動が盛んに行われ、その重要性が人々に認識されることになった。

ウ 民衆に布教していた僧侶が国家からの弾圧を受けながらも、渡来系技術者集団とともに、灌漑用水池を整備するなど社会事業を行った。

 

アですが、高校日本史で登場する「城」は、7世紀の「(朝鮮式)山城」(標準用語)と、8世紀の「多賀城」(基本用語)、9世紀の「胆沢城」(基本用語)・「志波城」(基本用語)、桃山文化の「城郭」(基本用語)です。姫路城など、城郭の例は『一問一答』でいくつか問われています。

そうなると、基本用語の知識があれば、古代と近世に築城技術があったことが分かります。築城技術が「災害」ではなく、「開発」に関わる話題であるのは明白なので、アは、表の空欄の、古代の[A]か近世の[E]のどちらかに入ることになります。アを[A]とする選択肢はないので、アは[E]ということになり、基本用語の知識があれば、答えは選択肢の③と⑤の二者択一に絞ることができます。

 

イですが、これは1995年の「阪神・淡路大震災」(標準用語)なので、近代現代の災害である[H]に入れるべきだということが分かります。これで、選択肢③と⑤から、イを[H]とする⑤が正答であという結論に至ることができます。

 

ウは、古代の行基(基本用語)のことなので、基本用語の知識があれば、ウを[A]とすることができます。実は、イが分からなくても、アとウで、選択肢③と⑤から、ウを[A]とする⑤が正答であという結論に至ることができます。

 

以上のように、結果的には、前の問題が解けていれば、基本用語の知識だけで解ける問題です。前の問題は知識ではなく、資料の読み取りで解く問題であったので、この問題は、実質的には、資料を読み取ったうえで、基本用語の知識があれば解けるという問題にあたります。

 

この問題は六者択一で、配点は3点なので、期待値は次のようになります。

 

【期待値表 解答番号2】

 

資料読める

資料読めず

用語習得せず

0.5

0.5

基本用語習得

3

0.5

標準用語習得

3

0.5

その他の必要用語習得

3

0.5

 

【期待値表 累積】

 

資料読める

資料読めず

用語習得せず

3.5

1.25

基本用語習得

6

1.25

標準用語習得

6

1.25

その他の必要用語習得

6

1.25

 

 

下の拙著では、センター試験でも同様の調査をしていますので、これからの調査結果とそちらと比較してみれば、『一問一答』という指標を用いて、センター試験に必要な知識レベルと共通テストに必要な知識レベルがどれだけ変化したのかが明らかになっていくことでしょう。 

 

 

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