誰も得しない日本史

誰も得しません

共通テスト難易度考察 H30試行調査4

H30試行調査の問題文はこちら(16MB)

大学入試センター

 

このシリーズの基本コンセプトは、こちらをご参照ください。

www.daremotokushinai.com

 

 

解答番号4

津波に関する2つの碑文、JとKの内容を読み取って、以下の選択肢から適当なものを選びます。

 

① J・Kの碑文は、どちらも死者を供養するために彫られた。

② J・Kの碑文は、この浦の人々に警告を発してきた。

③ J・Kの碑文に記されている津波の規模は、ほぼ同じであった。

④ J・Kは、民衆が建てた碑なので、文化財としての価値は低い。

 

Kに「我が浦一人の死者も無し」とあるので、①は不適切です。

Jに「後代のために言い伝う」とあり、Kに「後の大震に遭わば、あらかじめ海潮の変をおもいはかり避けよ」とあるので、②は適当です。

Jには「高さ十丈」とあり、Kには「一丈」とあるので、③は不適切です。

 

さて、④はどう考えましょうか。『日本史広辞典』(山川出版社)によると、「文化財」とは、「人間のさまざまな生産活動の所産として伝えられた有形・無形の遺産」です。その価値は何できまるのでしょうか。文化財の最高峰を国宝とみるならば、国宝の定義がヒントになるでしょうか。

「国宝」とは「文化財保護法により、重要文化財のうちとくに価値が高いものとして国が指定した文化財」(『日本史広辞典』)です。ここでは文化財に価値の高下があることを認めているので、まず文化財すべてに価値があって、高い低いということはない、というのは通りません。それでは、どのような文化財が国宝となるのでしょうか。総務省によると「世界文化の見地から価値の高いもので、たぐいない国民の宝たるもの」とあります。つまり、「世界文化の見地」とかいう、もやもや~っとした基準と、希少性によって文化財の価値が決まることが分かります。

世界文化の見地とやらが、なんであれ、少なくとも建造者が民衆であるか否かは基準ではないことがこれで分かりました。④は不適切であるということです。(なお、Z会の『』には面白い解説がありました。「両方の碑文とも、民衆が建てた碑であることを示す文言は見られない」というものです。なるほど、そうきますか。)

 

長々と書きましたが、結局は、資料を読み取ることができれば、②を選べます。

この問題の配点は3点なので、期待値は次のようになります。

 

【期待値表 解答番号4】

 

資料読める

資料読めず

用語習得せず

3

0.75

基本用語習得

3

0.75

標準用語習得

3

0.75

その他の必要用語習得

3

0.75

 

【期待値表 累積】

 

資料読める

資料読めず

用語習得せず

7.25

2.75

基本用語習得

10.5

3.5

標準用語習得

12

5

その他の必要用語習得

12

5

 

下の拙著では、センター試験でも同様の調査をしていますので、これからの調査結果とそちらと比較してみれば、『一問一答』という指標を用いて、センター試験に必要な知識レベルと共通テストに必要な知識レベルがどれだけ変化したのかが明らかになっていくことでしょう。 

 

 

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