誰も得しない日本史

誰も得しません

史料からはじめよう ―実証主義的歴史学の入り口の入り口―

大学入試共通テストを受ける人にも読んでほしい記事です。
 
月曜日の高校生向け「日本史クラブ」では、自由民権運動に関わる史料と、
一見してそれらの史料とは無関係で、時代も違う史料を読んでもらって、
それらすべてに共通しているものをメンバーに考察してもらいました。
 
それらの史料とは、
1875年の、漸次立憲政体樹立の詔
1881年の、国会開設の勅諭
1946年の、いわゆる天皇の人間宣言
です。
 
明治時代の自由民権運動の史料と、戦後GHQ占領下の史料の共通点なんて、高校で考えたことありますか。
一つ一つの史料は高校や受験勉強で知っていても、教科書のまったく違う場所に出てくる史料をつき合わせて考察したり、ディスカッションした経験をもつ高校生や、受験生はほとんどいません。
 
学校や予備校の講義では、通常は、教科書の記事を最初に教えて「それに合う史料」を紹介する、という教え方がなされることが多いです。
しかし、実際の研究の手順は真逆で、「史料を読んで事実(←これが後に教科書の記事となる)を導き出す」という方法をとります。
 
まず、史料ありきなんです。
史料を読むことがスタート地点なんです。
 
史料を読んで、「こうかもしれない」という、史料から言える(言えそう)なことを考えて示す。
みんなが考えた「こうかもしれない」をぶつけ合って議論し、「こうでしかありえない」と多くの学者が認めるレベルにまで絞り込む(磨き込む)。
 
この②の過程には、多くの頭脳が参加して、ほとんどの場合10年以上の時間がかかります。
そうして、磨き込まれた歴史的事実が、教科書に記述されるのです。
 
①と②が歴史研究の醍醐味であり、一番面白いところです。
学校や予備校では、この一番面白いところが一段落した結果しか伝えられないのが残念です。
 
OneStepのクラブでは、歴史研究のおもしろさをメンバーに感じてもらって、なおかつ、考える力を養ってもらうために、
教科書にない史料を読んでもらったり、教科書に載っている史料から、教科書に記述されていないことを考えて、議論してもらいます。
本格的に①と②をするための、基礎訓練といったところでしょうか。
そこで培った力とディスカッションの経験は、大学以降の学問の領域だけでなく、ビジネスの場でも役に立つものとなります。
 
最後に、なぜ冒頭で「大学入試共通テストを受ける人にも読んでほしい」と言ったのか。
それは、①の過程までは、これまでは東大などの一部難関大学で問われてきましたが、今後の共通テストでも問われるようになったからです。
 
史料を読んで言えることを示す(①の過程)
 
高校生のうちに訓練しておきたいものです。
②の過程については、OneStepのクラブで楽しみながらやってみるか、
大学に入ってからのお楽しみですね。
 
もちろん、私はOneStepのクラブで早めに②の過程を経験することをオススメします。
OneStep側の人間なもので。