誰も得しない日本史

誰も得しません

共通テスト難易度考察 H29試行調査07

H29試行調査の問題文はこちら(32Mと重いです)

大学入試センター

 

このシリーズの基本コンセプトは、こちらをご参照ください。

www.daremotokushinai.com

 

解答番号7

「魏志」倭人伝を読んで、「女王が魏へ使者を派遣した時に」、X(=下戸)とY(=大夫難升米)が「考えたと思われる」ことを選ばせる問題です。

 

選択肢は、

a 「毎日の暮らしのことしか分からない自分には関わりがないことだ」

b 「敵国である邪馬台国が魏と結ぶことは大変困ったことだ」

c 「無事に中国にわたり、魏の皇帝と上手に交渉をまとめたい」

d 「内政にかかわる監督官の自分には、職務だけで頭がいっぱいだ」

です。

 

Xはaとbから、Yはcとdから選びます。

Xですが、下戸(その他の必要用語)が邪馬台国の下位身分であるという知識があれば、bを消去することができます。

その知識がない場合はどうでしょう。Xが登場する部分を読みとることができれば、下戸の身分が低いことまでは分かりますが、「自分には関わりがないことだ」と思っているのかどうかは分かりません。この場合、論理的にbを消去できなければ正答にはいたれないはずですが、掲載された資料には省略された部分があるので、下戸が邪馬台国の敵国の人間であるかどうかは確定できません。つまり、論理的にbを消去することもできないのです。よって、資料だけでaかbかを確定することはできません。(※多くの参考書は、資料から下戸は邪馬台国の人間だと読み取れるとしています。しかし、資料に省略された部分がある以上、資料だけから下戸について述べた文章も邪馬台国に関する記述だと断言してはならないと考えます。)

 

Yですが、『一問一答』の暗記知識で解こうとしても、「大夫難升米」は掲載されていません。そこで、資料を読み解くしかありません。「倭の女王、大夫難升米らを遣し、郡に詣り、天子に詣りて」とあるので、大夫難升米が海外に派遣されたことが分かります。これならdを消去して、cを選び取ることは容易でしょう。

 

この問題の期待値は次のようになります。

 

【期待値表 解答番号7】

 

資料読める

資料読めず

用語習得せず

0.5

0.25

基本用語習得

0.5

0.25

標準用語習得

0.5

0.25

その他の必要用語習得

1

0.5

 

 

【期待値表 累積】

 

資料読める

資料読めず

用語習得せず

4

1.75

基本用語習得

5

2.5

標準用語習得

5

2.75

その他の必要用語習得

6.25

4

 

 

以下の拙著では、センター試験でも同様の調査をしていますので、これからの調査結果とそちらと比較してみれば、『一問一答』という指標を用いて、センター試験に必要な知識レベルと共通テストに必要な知識レベルがどれだけ変化したのかが明らかになっていくことでしょう。 

 

 

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