誰も得しない日本史

誰も得しません

共通テスト難易度考察 H29試行調査17

H29試行調査の問題文はこちら(32Mと重いです)

大学入試センター

 

このシリーズの基本コンセプトは、こちらをご参照ください。

www.daremotokushinai.com

 

解答番号17

田中さんが昆布について調べた情報をもとに、那覇市の昆布消費量が多いことの歴史的背景として適当なものを2つ選びます。

 

選択肢は以下の4つです。

a 近世には、北前船など日本海側の海上交通が整備され、蝦夷地と大坂を結ぶ流通が盛んになった。

b 近世には、諸藩で専売制の導入が進み、参勤交代の時に将軍への献上品とされた。

c 近世には、島津氏が琉球王国を支配し、中国への使節派遣と交易を継続させた。

d 近世には、出島を通じてオランダとつながる海外交通路が維持された。

 

解答に使用する選択肢の組合せにより、実質的にはaとbの二者択一と、cとdの二者択一の組合せです。

よって、最短手順は次のようになります。

 

①aとbから適当な方を選択する。

②cとdから適当は方を選択する。

 

当時の沖縄は1429年に統一されて以来、明治時代の琉球処分で日本に組み込まれるまで、琉球王国(基本用語)という独自の国家でした。つまり、現在の那覇市はどこの藩にも属していませんでした。諸藩の参勤交代の歴史を紐解いても、現在の那覇市の昆布の消費量のことは分からないため、基本用語の知識だけでbを消去することができます。なお、琉球が将軍に何らかの品物を献上していたとしても、琉球から将軍への使節は謝恩使(標準用語)か慶賀使(標準用語)なので、参勤交代はおかしいです。

 

出島(基本用語)は長崎にあり、長崎貿易が許されたのはオランダ・清(基本用語)なので、dはかつて琉球王国の所属した那覇市の昆布消費量とは無関係です。

 

この問題は、資料を読んだところで、知識で適切でない選択肢を消去できなければ正答には近づけません。逆に、資料を読まなくても基本用語の知識だけで解けます。資料はダミーです。共通テストでは、基本的に資料をしかっりと読み取らなければ解けない問題を並べておいて、資料が必要ない問題もたまにあるということでしょうか。受験生は短い時間で資料の要不要を見極めなければならないという、非常につらいテストになっていませんかね。

 

この問題の期待値は次のようになります。

 

【期待値表 解答番号17】

 

資料読める

資料読めず

用語習得せず

0.25

0.25

基本用語習得

1

1

標準用語習得

1

1

その他の必要用語習得

1

1

 

 

【期待値表 累積】

 

資料読める

資料読めず

用語習得せず

8.82

4.7

基本用語習得

13.44

7.61

標準用語習得

14.5

8.42

その他の必要用語習得

15.75

9.67

 

以下の拙著では、センター試験でも同様の調査をしていますので、これからの調査結果とそちらと比較してみれば、『一問一答』という指標を用いて、センター試験に必要な知識レベルと共通テストに必要な知識レベルがどれだけ変化したのかが明らかになっていくことでしょう。 

 

 

 【お知らせ】

Amazonで電子出版しています
 
 
Youtube版「のぶたの誰も得しない日本史 」