誰も得しない日本史

誰も得しません

共通テスト難易度考察 H29試行調査19

H29試行調査の問題文はこちら(32Mと重いです)

大学入試センター

 

このシリーズの基本コンセプトは、こちらをご参照ください。

www.daremotokushinai.com

 

解答番号19

条約交渉における幕府の対応についての、異なる評価X、Yの根拠を選択肢から選びます。

 

X、Yと選択肢は、以下のとおりです。

 

X 幕府は西洋諸国との外交経験が不足しており、外国の威圧に屈して、外国の利益を優先した条約を結んだ。

Y 幕府は当時の日本の実情をもとに外交交渉を行い、合理的に判断し、主体的に条約を結んだ。

 

a のちに条約を改正することを可能とする条文が盛り込まれていた。

b 日本に税率の決定権がなく、両国が協議して決める協定関税制度を認めた。

c 外国人の居住と商業活動の範囲を制限する居留地を設けた。

d 日米和親条約に引き続き、日本は片務的最恵国待遇を認めた。

 

Xの根拠はa、bの2つから選びます。幕府が不平等条約を結ばされたことは用語の暗記以前に周知のことなので、協定関税制度(基本用語)が何のことかは分からなくても、aの「条約を改正することを可能とする条文が盛り込まれていた」が、Xの「外交経験が不足しており、外国の威圧に屈して、外国の利益を優先」と矛盾していることは読み取れます。もちろん、協定関税制度の知識があれば、aを読み取ることができなくても、正解へとたどり着けます。

Yの根拠はc、dの2つから選びます。居留地の設置がアメリカの要望(=外国の威圧)なのか、日本の要望(=日本の主体性)なのかは、選択肢の読み取りからは分かりません。『一問一答』からも分かりません。それに対して、dの片務的最恵国待遇(基本用語)は、アメリカを一方的に優遇することなので、日本の主体性や合理性ということはできません。よって、基本用語の知識があれば、dを消去することができます。

 

この問題の期待値は次のようになります。

 

【期待値表 解答番号19】

 

資料読める

資料読めず

用語習得せず

0.5

0.25

基本用語習得

1

1

標準用語習得

1

1

その他の必要用語習得

1

1

 

 

【期待値表 累積】

 

資料読める

資料読めず

用語習得せず

9.57

5.2

基本用語習得

14.9

9.11

標準用語習得

16

9.92

その他の必要用語習得

17.25

11.17

 

 

この問題は基本用語の知識があれば解ける問題なのですが、蓋を上げてみると、正答率は43.9%にとどまっています。どんなに用語を暗記しても、教科書の記述を理解しても、根拠にもとづいて主張(評価)するという訓練をしなければ、永遠に解けない問題です。ある意味、共通テストの方針にもっともかなった問題の一つだと思います。指導者は、生徒にこの問題を解ける能力を身に付けさせる必要があります。

 

 

以下の拙著では、センター試験でも同様の調査をしていますので、これからの調査結果とそちらと比較してみれば、『一問一答』という指標を用いて、センター試験に必要な知識レベルと共通テストに必要な知識レベルがどれだけ変化したのかが明らかになっていくことでしょう。 

 

 

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